ホーム > インフォメーション > 7月定期演奏会マエストロ 尾高忠明インタビュー | マーラー、チャイコフスキーの最後の交響曲によせて

インフォメーション

2015年5月22日(金)

 どの作曲家も人生の終わりが近づいたときは少し神がかった曲が多くなってきますね。
チャイコフスキーの6番『悲愴』は、それまでの5つの交響曲や『マンフレッド』と比べて楽章構成は違うし、
終楽章の“死のコラール”は死が近かったことを感じさせます。

 僕にとってこの作品は思い出深く、20代初めにウィーン留学から帰国後すぐ東京フィルとの演奏旅行で
『悲愴』を取り上げ、その後よい関係を築くきっかけになった。
東京フィルとの『悲愴』は本当に大事な曲です。


 マーラーは僕が指揮の勉強を始めた頃日本ではほとんど演奏されておらず、学生だった僕は
バーンスタインがニューヨーク・フィルと出した全集を、こんなものすごい曲は一生振れないのではないかと
思って取り憑かれたように聴きました。マーラーはウィーン宮廷歌劇場での激務の合間を縫ってあれだけの曲を
書いていたわけです。どの交響曲も非常に多種多様ですが、9番は特に、指揮者がコントロールするというよりは大きなオーケストラがお互いを聴いて室内楽をやるような形になっている。
そして終楽章は、明らかに天上の音楽、死を描いています。


 僕は今67歳ですが、ここ数年で身近な人の死や病気といった経験もあって、『悲愴』もマーラーの9番も、
単にすばらしい曲だから演奏するというよりは、若い頃に最初にこの曲に挑んだ頃とはまったく違う
アプローチになると思って取り組んでいます。東京フィルは今、音色の面でとても充実してきていますし、
これらの曲を東京フィルと一緒に演奏できるというのは非常に楽しみです。



マエストロ尾高が選ぶ、 作曲家たちが遺した最後の交響曲
ライヴでしか聴くことができない、永遠の音…


第866回オーチャード定期演奏会

2015年7月12日(日)15:00開演(14:30開場)
Bunkamura オーチャードホール


指揮:尾高 忠明
ピアノ:児玉 桃&カリン・K・ナガノ

モーツァルト/歌劇『後宮からの逃走』序曲
モーツァルト/2台のピアノのための協奏曲*
チャイコフスキー/交響曲第6番『悲愴』

第95回東京オペラシティ定期シリーズ

2015年7月16日(木)19:00開演(18:30開場)
東京オペラシティ コンサートホール

第867回サントリー定期シリーズ

2015年7月17日(金)19:00開演(18:30開場)
サントリーホール 大ホール


指揮:尾高 忠明

マーラー/交響曲第9番 ニ長調



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